5αリダクターゼとは?
5αリダクターゼは、テストステロンと結合しやすい性質をもち、DHTへ変化するさいに必要な「還元酵素」です。
5αリダクターゼと結合し変化した「DHT」は限定した部位に悪影響を及ぼす場合があり、「AGAや前立腺肥大」の抑制原因となる酵素でもあります。
下記の表1にある、5αリダクターゼの酵素には「1型2型」の型をもちます。
また、分泌する部位も、それぞれ異なります。
5αリダクターゼ1型 | 頭部を含めた全身の皮脂腺・汗腺あたり |
5αリダクターゼ2型 | 前立腺・前頭部・頭頂部・精嚢・髭・陰部 |
主にAGAや前立腺肥大症の大半は2型の酵素が悪影響を及ぼします。
AGAでは1型が影響する場合もあります。
- 精嚢(せいのう)…前立腺の後ろにある袋状の器官
- 還元酵素…物質が電子を受け取る化学反応を持つ酵素
5αリダクターゼ|発症原因
5αリダクターゼの分泌量や遺伝性は各個人により異なります。
AGAの遺伝性では、レセプター(受容体)にある遺伝子は母親から受け継がれます。
逆に、5αリダクターゼは、父親・母親のどちらかに「活性がある遺伝子」を持っていれば受け継がれる特性もあります。
つまり、5αリダクターゼは遺伝との関係に共通点はありますが、母親に限定され受け継がれるレセプター(受容体)とは異なり、「父親・母親からも遺伝する優性遺伝子を持つ酵素」です。
- 優性遺伝子…性質や特徴の現れやすい遺伝子
- 活性-度…活発な性質 高いエネルギーを持つ
- レセプター…特定の物質と結合し情報を変換できる仕組みを持つ構造
5αリダクターゼの作用
5αリダクターゼの酵素は、DHTと同じくテストステロンの補助をする役割を持っているため、不足するとテストステロンに似た作用をします。
DHTでは生殖器や精巣の発達には欠かせないため、テストステロンと5αリダクターゼ酵素を必要とし成長・形成にも重要な作用をする酵素です。
5αリダクターゼ1型の作用
AGAや前立腺に影響する作用は「1型2型の活性の高さに問題」があると考えられています。AGAでは、M字の薄毛に5αリダクターゼ1型が作用している場合があります。
5αリダクターゼ2型を抑制するAGA治療薬(フィナステリド)では、発毛効果がでない人がいたため、発毛効果がでない部位を確認するとM字の部分が多く、AGA治療薬の再研究を始めた経緯から1型もAGAの影響があると確認されました。
その結果、現在処方されている「ザガーロ」には、5αリダクターゼ1型2型の酵素に抑制効果がある薬剤を配合し、前頭部やM字に進行があるAGAでは「ザガーロ」を処方しています。
5αリダクターゼ2型の作用
AGAや前立腺肥大の原因では、大半は「2型の酵素」が作用を起こします。
5αリダクターゼ2型の酵素は、上記の表1にある特定部位にしか存在しない酵素でもあり、遺伝性の活性をもつ酵素としても注視されています。
AGAでは、頭頂部周辺から薄毛が進行する人は、5αリダクターゼ2型の酵素が影響することから、AGA治療薬も2型に特化したフィナステリドを使用しています。
5αリダクターゼを抑制するとAGAや前立腺肥大に効果を上げる!
AGAでは、DHTの名称が多く使われ脱毛の根源だと最も多く取りだされています。
AGA治療薬は、DHTの治療薬と思われがちですが、実際は違います。
AGA治療薬は「5αリダクターゼを抑制する阻害治療薬」です。
テストステロンと結合する「5αリダクターゼ1型2型の活性度」の高さも要因です。
AGAは「酵素を抑制する薬剤」を使用して阻害効果をだすため、DHTを阻害しているわけではありません。
一方、前立腺でも多くの5αリダクターゼ2型が存在します。
テストステロンとの結合で還元したDHTの濃度が上がる可能性があるため、40歳以上の年齢では前立腺PSAマーカー検査が健康診断の項目に入っています。
前立腺検査をする理由
前立腺肥大症・前立腺炎症・前立腺がん
年齢が高くなるほどDHTの濃度が上がる可能性があるため行われます。
PSAマーカー検査を行って早期発見する目的で行われています。
- PSAマーカー検査…前立腺細胞で作られる蛋白。
PSA蛋白が血液中に流れ出していると前立腺組織が壊れている可能性があることから「がん化・肥大・炎症」の可能性を数値で確認し指標としている検査
上記にある、5αリダクターゼ2型は前立腺に起こる病気にも深いつながりをもちます。
つまり、「AGAや前立腺肥大になる根源を阻害」するには「5αリダクターゼの抑制」が治療において必須になっているわけです。
5αリダクターゼの抑制方法
5αリダクターゼを抑制するには、「亜鉛」食材を使用して予防します。
食材で抑制する意味は「予防」です!
5αリダクターゼを抑制できる食材があるからといっても、すでにAGAを発症している人が食材やサプリを使用するだけで回復するものではありません。
AGAであれば食材の抑制成分では抑えきれず、進行は止められないからです。
「AGA治療薬で抑制しなければ回復できない」ことを覚えておく必要があります。
食材から抑制する方法
予防法として5αリダクターゼを抑制するには、食材に含まれる「亜鉛」を摂ると抑制作用が有効に働きます。
亜鉛を含む食材
かき・うなぎ・レバー・牛肉・豚肉・しじみ・チーズ・納豆・エビ・卵・小麦胚芽・かつお・さば・いわし・かぼちゃ・酵母パン・ココア
参考資料:健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)
クリニックで治療する方法
AGAや前立腺肥大症など病気や症状がある時は、専門の治療薬によって抑制できます。
しかし、予防的に治療するのであれば、食材を摂っていれば十分です。
AGA治療薬:5αリダクターゼを抑制する
他の抑制方法は、テストステロンを抑制する治療法がメインです。
よくある質問「5αリダクターゼ」Q&A
5αリダクターゼを抑制するサプリは効果がある?
サプリの使用は「AGAや前立腺の予防」と考えましょう。
「AGAやDHTを抑制する」食材やサプリは多く紹介されています。
しかし、実際にAGAや前立腺肥大症になれば治療薬の抑制効果にたよります。
サプリは補助食品ですから、AGAやDHTを抑制治療できる意味で捉えないようにしましょう。
5αリダクターゼ1型2型は、M字の薄毛であれば1型に間違いない?
前頭部と頭頂部にも2型は存在し影響を与えます。
M字の薄毛があるといって1型だけが関与しているとは限りません。
結果、AGA治療薬を考える場合、M字や前頭部の薄毛がある人は1型2型にも抑制効果がある「ザガーロ」を選択するとよいでしょう。
5αリダクターゼが多い人の特徴は?
5αリダクターゼの活性度は遺伝による影響が大きいとされています。
ただ、喫煙や過度な飲酒、ストレスを溜めている人は、亜鉛の消費が多くなり、それにともなって5αリダクターゼの活性度も高くなります。5αリダクターゼ活性度は日常生活から減らすことができるので、意識して生活しましょう。
5αリダクターゼはニキビの原因となる?
5αリダクターゼⅠ型の活性度が高いと、ニキビの原因となります。
ニキビの原因のひとつとして皮脂の過剰分泌が挙げられ、5αリダクターゼⅠ型には皮膚の分泌を多くする働きがあります。そのため、5αリダクターゼⅠ型の活性度がニキビの原因となる可能性もあります。
まとめ
5αリダクターゼは、テストステロンと結合するとDHTへと変化させる酵素です。
変化したDHTは悪影響を及ぼす場合もあることから酵素の活性が問題としています。
また、5αリダクターゼは1型2型をもち、それぞれ存在する部位も異なります。
特にAGAではDHTを悪の根源として大きく取り上げています。
実際にAGA治療薬で抑制するのは、DHTを抑制しているわけではありません。「5αリダクターゼ1型2型を抑制する阻害治療薬」で結合を阻止しています。
5αリダクターゼを抑制する方法は、サプリや食材に多く含む「亜鉛」があります。
しかし、5αリダクターゼを「亜鉛で抑制できる」と聞き「サプリと食材でAGAを治せる」わけではありません。
「AGAや前立腺治療を行えるほど抑制効果はない」のです。
「亜鉛」を含んだ食材やサプリは、治療法で考えず栄養補給や予防目的で摂りましょう。
サプリの使用は「AGAや前立腺の予防」と考えましょう。
AGAやDHTを抑制する」食材やサプリは多く紹介されています。
しかし、実際にAGAや前立腺肥大症になれば治療薬の抑制効果にたよります。
サプリは補助食品ですから、AGAやDHTを抑制治療できる意味で捉えないようにしましょう。
前頭部と頭頂部にも2型は存在し影響を与えます。
M字の薄毛があるといって1型だけが関与しているとは限りません。
結果、AGA治療薬を考える場合、M字や前頭部の薄毛がある人は1型2型にも抑制効果がある「ザガーロ」を選択するとよいでしょう。
5αリダクターゼの活性度は遺伝による影響が大きいとされています。
ただ、喫煙や過度な飲酒、ストレスを溜めている人は、亜鉛の消費が多くなり、それにともなって5αリダクターゼの活性度も高くなります。5αリダクターゼ活性度は日常生活から減らすことができるので、意識して生活しましょう。
5αリダクターゼ1型の活性度が高いと、ニキビの原因となります。
ニキビの原因のひとつとして皮脂の過剰分泌が挙げられ、5αリダクターゼ1型には皮膚の分泌を多くする働きがあります。そのため、5αリダクターゼ1型の活性度がニキビの原因となる可能性もあります。