ひとくちにEDと言っても、EDを引き起こす原因にはさまざまなものがあり、EDはその原因によって種類分けされています。
EDの種類が違えば、治療の方法もまた違ってくる可能性は大いにあります。適切な治療を受けるためにも、「自分はEDかもしれない」という心配がある方は、EDにどのような種類があるのかこの記事でチェックしてくださいね。
目次
EDには大きく4つの種類がある
ED(勃起障害、勃起不全)は、その原因によって大きく4つの種類に分類することができます。
- ①心因性(機能性)ED:ストレスやプレッシャーなど心理的な原因によるもの
- ②器質性ED:けがや病気など身体的な原因によるもの
- ③混合性ED:心因性EDと器質性EDが混在しているもの
- ④薬剤性ED:薬の副作用によるもの
それぞれの特徴や治療法などについて、以下で詳しくみていきましょう。
心因性EDとは
心因性のEDは、身体的には何ら異常はないものの心理的な影響が原因で起こるEDです。20代から30代のEDに多いのが、この心因性EDです。
勃起は、性的な刺激を受けたことによる大脳の興奮が、陰茎の勃起神経へ伝達することで起こります。しかし心因性EDでは、心理的なストレスのために神経伝達がうまく行われなかったり、そもそも性的な刺激に対して興奮しにくくなったりしてしまいます。
夫婦間のストレスや、子どもを作りたいというプレッシャー、過去に性交に失敗した経験など、さまざまなストレスが心因性EDの原因となりえます。また、職場のストレスなど、性行為と直接関係ないものも含まれるので注意が必要です。
このように日常的なストレスを原因とするものを「現実心因」と呼びます。
一方、幼少期のトラウマやホモセクシャルなど、本人が気づいていないストレスが原因となることもあります。このような無意識下のストレスを原因とするものを「深層心因」と呼びます。深層心因は本人も気づいていない潜在意識などに原因があるため、現実心因よりも複雑なことが多々あります。
精神疾患によるED
うつ病や躁病、不安神経症や統合失調症などの精神疾患が原因のEDも、心因性EDに含まれます。とくにうつ病は近年患者数が増加しており、うつ病患者の高い割合でEDが生じています。うつ病は自分では気がつかない場合もあるので、逆にEDがうつ病のサインとなることもあります。
心因性EDの治療
心因性EDの治療には多くの場合、ED治療薬が効果的です。
ED治療薬を服用し、「薬を飲んでいるから大丈夫」という気持ちを持つことでストレスを軽減し、性行為に対する自信をつけます。そして最終的には薬に頼らなくてもよい状態を目指します。
しかし心因性のEDを一人で改善するのは簡単ではありません。治療薬の使用に加え、EDを正しく理解し、EDの知識を持ったパートナーの協力も非常に大切だといえます。
一方、潜在意識などを原因とする「深層心因」によるEDでは、心理療法などの治療が必要な場合があります。
セックスセラピストなどの専門家による継続的なカウンセリングを受け、改善を目指しましょう。
器質性EDとは
器質性EDは、病気やけがなどで身体の機能に生じた異常が原因のEDです。生活習慣病などが増えてくる中高年に多いEDです。
器質性EDには、大きく分けて
①動脈硬化など、血管の障害によるもの
②神経疾患など、神経の障害によるもの
③ホルモンの低下など内分泌機能の低下によるもの
3つの原因があります。
血管障害によるED
30代、40代以降にEDだと感じる人が増える理由のひとつは、加齢による動脈硬化です。血管が老化すると血管の壁の弾力性が低下し、血管の収縮・拡張がスムーズにいかなくなって、陰茎海綿体に十分な血液を送ることができなくなってしまうためです。
加齢による動脈硬化に拍車をかけるのが、生活習慣病です。高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病はいずれも血管に負担をかける病気です。また、過度の飲酒や喫煙なども、動脈硬化を進める要因として注意が必要です。
また、前立腺肥大や前立腺がんなどの手術、不慮の事故による血管の障害もEDの原因となります。
神経障害によるED
勃起が起こるには、脳の興奮が陰茎の勃起神経に伝わる必要があります。そのため、糖尿病性神経症、パーキンソン病などの神経疾患や、脳出血、事故による脊髄損傷で神経に障害が生じると、EDになる可能性があります。
また海綿体を走る神経は複雑で個人差もあるため、血管障害の場合と同じく、前立腺がんの手術などでダメージを受けてしまう可能性もあります。
内分泌低下によるED
男性ホルモンのひとつとして知られるテストステロンは、男性的な体を作ったり、生殖機能を維持する働きを持つホルモンです。テストステロンは、勃起に関係する神経や血管、海綿体組織の正常な機能の保全に必要であるため、加齢などが原因のテストステロンの低下は、EDの発生と関連があると考えられています。
器質性EDの治療
事故や手術で、血管、神経が大きく損傷している場合には、ED治療薬の効果はあまり望めないかもしれません。
しかし損傷が小さい場合や、動脈硬化などの血管障害によるEDの場合は、血管を拡張する作用を持つバイアグラ、シアリス、レビトラなどのED治療薬は、高い効果が期待できます。
混合性EDとは
心因性のEDと器質性のEDが混在したものが混合性EDです。生活習慣病や精神的なストレスなどさまざまな要因が絡み合っているため、EDの原因を特定するのが非常に困難です。混合性EDは50代、60代に多くみられます。
混在性EDでは、生活習慣病などが原因で器質性のEDが発症し、さらにそれが精神的なストレスとなって心因性のEDも発症してしまうケースが多いといえるでしょう。
混合性EDの治療
混合性EDは心因性と器質性が混在しているため、それぞれの原因を特定して治療していかなければなりません。
また、精神的なストレスを解消する方法を試みたり、生活習慣病や動脈硬化を軽減するための食事療法・運動療法を同時に取り入れることで、EDの改善が期待できます。
薬剤性EDとは
薬の副作用が原因で生じるEDを薬剤性EDといいます。勃起は、神経の伝達と血管の拡張が関係する複雑なメカニズムであるため、神経系や血管系への薬の副作用によりバランスが崩れると、EDになってしまうことがあります。
中枢神経系に作用する薬によるED
中枢神経系に作用する薬で、EDの発生率の高いものは抗うつ薬です。抗うつ薬は神経の伝達物質であるセロトニンを増加させ、ドーパミンとノルアドレナリンを減少させる作用がありますが、この減少がEDを引き起こす原因であると考えられています。
また統合失調症に処方される抗精神病薬にも、同じく高い割合でEDを発症させる副作用があります。
末梢神経に作用する薬によるED
末梢神経は自律神経と運動神経に分かれ、自律神経には交感神経と副交感神経があります。勃起が起こるのは、副交感神経が優位であるときです。腰痛症などに用いられる筋弛緩薬は副交感神経を抑える働きがあるので、それが原因でEDになる場合があります。
循環器系に作用する薬によるED
循環器系の薬では、血圧を下げる降圧剤にEDの副作用があることが報告されています。この副作用のメカニズムはまだ明らかではありませんが、血圧を低下させることで、陰茎への血流量が減少するためであると考えられています。
消化器系に作用する薬によるED
消化器系の薬でEDの副作用を持つものは少なくありません。なかでも有名なのは、胃十二指腸潰瘍の治療薬であるH2ブロッカーです。H2ブロッカーはドラッグストアでも手軽に購入できるため、注意が必要です。
薬剤性EDの治療
薬剤性EDは、副作用の原因となっている薬剤を減量・中止したり、ほかの薬剤へ変更したりすることで改善されることが多いですが、もととなっている病気の状態によっては薬の変更や中止が難しい場合もあります。そのような場合には、まず原疾患を治療することが重要となるでしょう。
もっとも、降圧剤の副作用によるEDには、バイアグラなどのED治療薬に高い効果が期待できます。
まとめ
ここまでみてきたように、EDにはさまざまな原因、種類があります。
EDの症状が疑われたときには、早めにクリニックなどの医療機関を受診して、医師と相談の上、EDの原因を特定することが、早期の改善につながるでしょう。
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